ぶいすぽの3Dお披露目第二弾を観た。前回は予定が被っていてリアルタイムでは観られなかったので、今回は無事に頭から追えてよかった。ぶいすぽを好きになったきっかけののせと、ここ数年もっとも熱心に観ているといえる紫宮のいる回だったのでなおさらである。
基本的に「萌え」「綺麗」「かわいい」しか言うことはないのだが……エマちゃんのちゃっかりしたサービス精神が好きなのでその感じを見られたのはうれしかったし、明らかに緊張しているのせを多くの人たちが笑いながら支えているのもらしさがあってよかった。のせが急に変な動きをしはじめて周囲が「それやめろ!」と叱るのは感動的なくらい私の好きなぶいすぽの空気である。3Dを準備していると聞いて、それぞれの家からだらだら交流しているところが好きだった私は複雑な気持ちを抱かないでもなかったが、じっさいにメンバーが生きいきと動いているところを見ると、やはり一時的にはどうでもよくなってしまう(ただし運営の謎の黒子での登場はそういうところだぞと思っている)。
紫宮が招いたゲストはれんくんだけであり、振り返ればやけに静かに感じる。最近はコラボも多いが、それでも漂う(まさに猫っぽい)個人主義的な雰囲気が私は好きだったので、そのような構成もうれしい。エマちゃんがセリフや歌で、のせがたくさんの友達との交流でファンをよろこばせようとしたのと同じように、紫宮は飾らない自分とファンの空間を作ることを、期待に応えるための方法として選んだのだと思っている。
最後の数分間に、息も切れぎれに詰め込んでいた言葉が印象的だった。「どうですかみなさん紫宮は、実在してるし……この幻のね、この3D配信をねみなさん、噛み締めて生きて、あと100年は生きてください」。いつか「みんながモニターで見てるから紫宮が2Dに見えてるだけなんじゃないの?」とさらっと言ってのけた人の、意外なほど繊細な存在・実在に対する感覚は、配信タイトルも含めて私の勘違いではないのだと思う。それから、かつてアイドルを推していた自分が「推される側」になったことを認めるように、「自身の実在」と「あと100年生きること」の夢物語を並び立てて、その両方の可能性を……などと言いはじめたあたりでふと我に返るのだが、少なくともそんな、すべてわかっているようにも見えるし、ぜんぶ適当のようにも見えるところが、私にとっての紫宮の魅力であることは間違いなかった。とてもいいお披露目配信だった。